[M.M.S.T witter 1400]vol.41 〜東アジア演劇キャンプin釜山〜

第3回東アジア演劇キャンプが本日より始まりました。

M.M.S.Tでは2014年以降何かと釜山にご縁があり、年に一度は釜山に訪れる機会をいただいています。

2016年からは、釜山の演劇関係者が主体となり、「東アジア演劇キャンプ」というワークショッププログラムが始まり、

第1回目からM.M.S.T代表の百瀬が演出家として招聘していただいています。

第1回目は、台湾と日本からそれぞれ1名の演出家が招待され、台湾と日本2チームに分かれて、

それぞれ釜山の俳優数名とともにワークショップをおこなうというものでした。

第2回目は、台湾、日本に加え、韓国からも1名演出家が加わり、3チームに分かれて、

20分程度の小品を創作、最終日に発表もおこないました。

そして、今年は第3回目の東アジア演劇キャンプ。

今年は、5月4日〜5月24日の期間で開催されます。

今年も百瀬が演出家としてお声がけいただき、釜山の俳優らと創作をおこないます。

規模も少しずつ大きくなり、今回は20日ほど釜山で滞在創作、最後の3日間に公演をおこないます。

また滞在の最終日には東アジア演劇キャンプの成果や今後についての会議としてのセミナーもおこなわれます。

今後の展開については、昨年末から3カ国間で話し合いを進めているところです。


さて、本日より、各チームに分かれて早速ワークショップも始まりました。

キャンパスDという、ホール、展示室、稽古場などを兼ねた施設で、

韓国のタイヤなどのゴムを作っている会社が文化芸術支援のために建てた施設とのこと。

昨年オープンしたばかりのとても新しい施設です。

(昨年のキャンプの成果発表公演、セミナーは、この施設のこのこけら落としの事業でした。)

夕方に全体でのオリエンテーションもあり、キャンプ事務局スタッフから趣旨説明などを受けて、

本日の日本チームの稽古は終了しました。

明日も稽古です。

camp2018

IMG_4651

— posted by mmst at 10:52 pm  

[M.M.S.T witter 1400]vol.40 〜M.S.Pについて。〜

M.M.S.Tでは毎年8月盛夏の時期に、舞台創作ワークショップを開催しています。

この夏の時期に開催している舞台創作ワークショップのことを、通称「M.S.P」としています。

「M.S.P」は、M.M.S.T SUMMER PROGRAM の略。

このワークショップも気がつけば昨年10周年を迎え、今年11年目になります。


「M.S.P」は、奈良県吉野郡天川村にある築150年の古民家を改装したアトリエ施設に約1週間滞在し、

外部からお招きした講師とともに、1週間のうちに1つの作品を創作、最終日に実際にお客さんの前で上演までおこなう、

というなかなかハードな企画です。

アトリエのある地区は、天川村の中でも西部の山間部にあり、

そのあまりの山っぷりと、人里離れっぷりに、

「田舎好きだからどんなに田舎でも全然平気!」と豪語する人さえ幾度となくホームシックにさせてきました。


最寄りのコンビニまで、車で1時間。

天川村中心部にある商店(ちょっとした雑貨や食べ物を売っている)でも車で30分弱。

ブログでも何度か書いていますが、アトリエ滞在中はお財布を開くことがほぼなくなるため、

1週間の滞在を経て下山する時には、自販機を見るだけでちょっとした感動さえ覚えてしまうほどです。

自然と口にしてしまう「下界」という言葉。

今でこそ携帯の電波が入りますが、数年前まで当然と言わんばかりの圏外でした。

現在でも、auは入らないので、auキャリアの方がワークショップに参加すると約1週間消息が途絶えてしまうわけです。

*auの方にはぜひとも入村前にその旨をご家族や周囲の方々にお伝えいただいてほしい思います。


話が少しそれたようですが、このM.S.Pの醍醐味は、こうした環境の中での創作です。

台詞の練習のために大声を出して外を歩こうが、怒られることも怪しまれることもありません。

存分に稽古に没頭できます。

疲れたら、アトリエの目の前の山々を眺めたり、夜は満天の星空や流れ星に癒されたりします。

そんな大自然の中で、創作にチャレンジしてみたいという方のチャレンジ第一歩のお申し込みをお待ちしています。


今年は、東京を中心に全国各地、海外でもご活躍中の劇団印象の鈴木アツトさんを講師にお迎えします。

創作する作品は、作家、谷崎潤一郎の作品から構成します。

最終日の上演会場となるのは、大阪中心部にある劇場、in→dependenttheatre1st。


未経験者も大歓迎です。そのチャレンジ精神こそ、M.S.P参加者にふさわしいと言ってもいいほどです。

お待ちしています。


— posted by mmst at 12:22 am  

[M.M.S.T witter 1400]vol.39 〜天川村で友人ができた話 2〜

天川村滞在中、思わぬ出会いで86歳Eさんという友人ができた話の続きです。


再び、天川村に滞在することになったK。

M.M.S.Tのアトリエに車で向かう途中、Eさんと出会った道を通りかかったところ、

感動もないほどあっさりEさんと遭遇。

Eさん:「あら〜!お久しぶり。今日来たの?」

と相変わらずお元気そうでした。

Eさんはかつて芸妓をやっていたこともあり、舞台には興味津々です。

芝居の稽古を見せて欲しいということで、後日アトリエに来ていただく約束をし、その日はお別れしました。



のはずだったのですが・・・

その日の夕方、Eさんからの着信。

Eさん:「私、Eです。Kさん、今日一人なんでしょ?お夕飯どうされるの?」

K:「一人なので簡単に済まそうかなと思ってるんですけど、」

Eさん:(間髪入れず)「うち来ない?」

K:「え??」

Eさん:「一緒に食べよー!ご馳走はないけど、Kさんの分も準備するから。私、一人で食べるの寂しくて嫌なのよ。」

K:「いいんですか?こちらこそ何も持っていけるものが今ないんですが、、」

Eさん:「何もいらないから、そのままおいで。でも、ご馳走はないからね。」


電話を切るまで何度も「ご馳走はないからね」と念押しされましたが、

そんな贅沢な願いはありません。というより、出会って2回目にご自宅に招かれるとは・・

そして、「一緒に食べよー!」が学生時代のお昼のお弁当タイムさながらで心温まります・・

お言葉に甘え、ありがたくご相伴に預かることにし、Eさんのご自宅を訪問しました。

ご馳走はないとおっしゃいましたが、サラダや煮物やお寿司やら

ご馳走以外の何ものでもありませんでした。

美味しいご飯をいただきながら、デザートに果物やアイスまでいただきながら、

Eさんの長崎での思い出話や大阪に行くことになった話、芸妓修行の話、嫁入りの話などなど

盛りだくさんで、あっという間に夜は更けてしまいました。


真っ暗になった天川村、玄関外まで見送ってくださったEさん。

出発しようとした車の窓越しに

Eさん:「気をつけてね。最近その辺でクマ出たらしいから。車にもぶつかってくるらしいから。」

・・・さすが、天川村の夜です。


ちなみに、お土産までくださいました。

Eさんが健康のために毎日飲んでいるという、

ミドリムシドリンク。

・・・86歳、元気の秘訣は、ミドリムシ。

— posted by mmst at 07:12 am  

[M.M.S.T witter 1400]vol.38 〜天川村で友人ができた話〜

M.M.S.Tメンバーは、通常、福岡を中心に活動していますが、

創作であったり、ワークショップであったり、という時には天川村アトリエに滞在します。

昨年の夏のワークショップで滞在していた時のことです。

スタッフ(以下、K)が、客人をアトリエ近くの(と言っても車で20分弱、徒歩1時間ほどかかります・・)バス停まで

お見送り行き、バスを待っていると、路肩に駐車したM.M.S.Tカーをおばあさんがじっと眺めているのが見えました。

おばあさんは、こちらに気づいて訝しげな顔をしながらKに近づいてきます。

路肩に車を停めていたのが迷惑だったかなと反省しつつ、近づいて来るおばあさんに会釈。

(天川村では特に夏の時期、マナーの悪い観光客もいて地元の方が迷惑をしているという話はよく耳にする。)


おばあさん:「あなた、福岡?」

K:「あ、、はい、、そうです。車、すみません、、」

おばあさん:「わたし、長崎やねん!」(唐突)

K:「え?そうなんですか?(でも関西弁?)」

おばあさん:「いや〜、福岡から来たの?嬉しいわ〜。私すぐそこに住んでんねんけど(略)・・・」


要約すると、そのおばあさんは、Eさん(現代風な可愛いお名前)86歳。(には見えない肌艶と背筋の伸び。あと、声も大きくて元気。)

バス停そばに住んでいらっしゃって、出身は長崎。10代の頃に出稼ぎで大阪に出て芸妓をし、

そのお客さんであった旦那様に見初められて、天川村のお隣、十津川村(温泉地で有名です。)に嫁いで60年以上。

旦那様は随分前に他界されたということで今は一人暮らし。

幼い頃に過ごした九州のことが忘れられず、たまに九州ナンバーの車を見かけては話しかけているらしいのです。


客人を見送った後も、しばらく立ち話をしました。

おばあさん(以下、Eさん):「あ〜嬉しいな〜!九州の人とお友だちになれるなんて。あ、文通しよ!」

ということで、お友だちになりました。


Eさんの住所を手帳に書いてもらい、Kは名刺をお渡しして、また会いましょうとその日はお別れしました。

その後、なかなかお会いする機会がとれず、Kは福岡に戻ってしまいました。


福岡に戻って、早速お手紙を書き、投函。

それから数日後の夕方・・・

見知らぬ携帯番号からの着信。なんと、Eさんからでした。

Eさん:「あ、Kさん?私、十津川のEです。お元気してます?夕食の時間帯にごめんなさいね、少しお話できるかしら?」

用件は、手紙を受け取ったこと、嬉しくてお礼のために名刺の電話番号に電話をかけてくださった、ということでした。

Eさんの気遣いと気さくさと、元気さ、頭が下がります。

電話をいただいた翌月にはKは公演準備で天川村に再び行く予定だったので、そのことをお話し、

またお会いする約束をしました。

人付き合いが薄くなってきた現代に、こういう形で祖母と孫ほど年の離れた友人ができるとは思いませんでした。

— posted by mmst at 06:27 pm  

[M.M.S.T witter 1400]vol.37 〜11年目。〜

今年の夏も舞台創作ワークショップを開催することになりました。

このワークショップも今年で11年目です。

今年のワークショップの講師は、劇団印象の鈴木アツトさんです。

創作作品は、作家、谷崎潤一郎(1886-1965)のテキストより構成します。

参加申し込み受付開始していますので、ご希望の方は是非お申込みください。


さて、奈良県の天川村という場所に約11年前にアトリエを構え、

創作に集中するための場所としてM.M.S.Tの創作や、M.S.PLinkTINPLink のようなワークショップをおこなってきたわけですが、

携帯電話の電波がつながるようになったり(auはまだ繋がりません。)、

お引越し等々による近隣住民の方々の変化などはあれど、

アトリエの目の前に広がる山々の景色は驚くほどに変わっていません。

このめまぐるしく変わって行く世の中にあってこの大自然が変わらずにあるということは貴重なことだと毎回感じさせられます。


しかしながら、昨年のある日、「10年目か〜」となんだか誇らしげに思っていると、

アトリエのご近所のおばあさんのお家に偶然お呼ばれしまして、色々と世間話など話しをすることがありました。

その中でおばあさんがふと、


「ばあちゃんはこっち(天川村)に来て60年以上になるからなぁ、だから〜〜(世間話)〜」

とおっしゃいました。


・・・「60年以上」


ちょっとびっくりして後半のおばあさんの話しをほどなく聞き逃しました。


10年の6倍。小学生で言えば、6年生と1年生の違いです。

否、60年「以上」ということなので中学生か高校生くらいの違いかもしれません。


完敗です。


60年以上住んでいらっしゃるその元気な90代のおばあさん曰く、

目の前の山景色は、「秋が一番だ」とのこと。

実は・・何のタイミングか紅葉の季節にアトリエを離れることが多く、現メンバーで秋景色を見た者がいません。

その意味でも11年、まだまだです。

60年以上の住民が一番だという景色、一度は見ておかなければと思います。


今年のM.S.Pワークショップも開催は夏真っ盛りの時期ですが、

夏の青々とした山景色も、夜の満天の星空もおすすめです。

天川の名にふさわしく、星の天の川がはっきり見えます。

何より、創作に集中できる環境です。

都会の生活にモヤモヤしている方、ぜひ一度お越しください。


1466816453_mal4


— posted by mmst at 07:08 pm  

prev
2024.7
next
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31